• 子どもの造形活動を通してアートルームが目指すもの

    アートルームは、毎回違う課題を進めて行きます。長期間来られている子どもさんも、たくさんおられますが同じ課題を2度される事はありません。教室開設以来、約700種類の異なった課題のチャートを準備してきました。毎回の課題は、その目的・準備・手順・時間など子どもの年令や経験に応じて対応出来るよう講師はトレーニングを重ねています。最近、たくさんの「お稽古ごと」に毎日のように通っている子どもさんが多くおられます。その多くは点数や級などのランク付けで、競争心を高めているように思われます。

    私たちアートルームでは、1.安全 2.比べない 3.指示しない 4.手を加えない を、基本にし各クラスは常に3人のスタッフで子どもたちの自主的な創作活動や学習能力を高めるお手伝いをします。子どものコンクールや公募展に出品することもありません。年令、経験、発達の段階が異なる一人ひとりの個性を持った子どもたちを創作活動において、比較する事は大事なことではないと考えています。

    幼稚園や小学校で学ぶ事柄は、将来その上に積み重ねて行くあらゆる事柄の「基礎」となるべき大切な要素を総て含んでいます。子ども達は、家庭という小さな単位の中で学ぶ事から始まり、少しづつ大きな集団の中に自分自身を適応させ、様々な経験を積みながら知識や技術を身につけて成長していきます。そのためには運動能力や言葉を理解する力が基本となるかもしれません。絵を描いたり工作をしたりする「図面・工作」美術はそういった基本に非常に近い所にある「総合的」な学習の一つではないかと考えます。上手に絵を描いたりコンクールで受賞したりする事が目的ではなく、様々な造形活動を通して積極的に自ら体験し、失敗し、創意工夫して行く過程で、身に付けて行く物を大切にしたいと思います。教室ではまず「今日の課題」の大切な目的を、先生のお話を良く聞いて理解し、パスや絵の具、ハサミや身の回りの道具や素材を直接自分の手を使って創りあげていきます。最初の課題の目的を離れて独自の世界を作り上げて行く事もあります。結果ではなく過程を大切にした指導を目指しています。「図画・工作」が国語や、算数、理科、社会・・といった他の教科とかなり違う点は「独自性」を大切にする事、他の人と同じでない自分に気づき、それを伸ばして行く事かも知れません。

    近年の少子化の結果、子どもたちに過大な期待をかけるあまり、その負担や重圧にストレスを感じている子どもも多く見かけます。もっとのびのびと、自由に楽しく子ども本来の「遊び」の中で、本当に身に付く将来への「基礎」を造形活動を通して展開して行ける教室にしたいと私たちは努力しています。

  • 課題は、次のような4つの基本的な表現方法に基づいて、毎回変わります。

    1.見て描く絵

    一般的「写生」といわれています。花や器物など身の回りのものを観察して描きます。

    見て描く絵をさらに「精密に描く」と「感じを描く」に分けて課題を設定しています。

    ボールペン等線的表現に向くものを使用します。「感じを描く」絵ではパスや絵の具を使って自由にのびのびと表現します。

    2.考えて描く絵

    点や線、丸や三角、四角などの基本的な形を使って画面を構成します。

    一般的に抽象的な形をテーマにデザインし、子どもの発達段階に合わせ、形や色を学びながら表現し、様々な造形の基本を身につけます。

    見て描く絵は発達段階や経験によって表現の力の差が大きいのに対して、この課題は年令に応じて幅広く応用することができます。

    3.イメージで描く絵

    思い出して描いたり、想像して描く絵です。幼稚園や小学校低学年では想像力を働かせて豊かな絵をどんどん描きます。しかし年令や経験を積むと「見える通りに描きたい。」という要望が生まれて来ます。

    自由な発想を育て伸ばしながら、客観的な表現力を身につけるのは一見矛盾するようですが、独自のカリキュラムで無理なくこの両立を計ります。

    4.工作

    工作は、身近にある素材・紙・木・布・プラスティック等を使って加工の方法を知りながら、工夫して「条件や目的」にあったものを作り上げていきます。安全で効果的な道具の使い方や合理的な手順、ものの道理を学び、ものを大切にする気持ちを育てます。

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